巻頭言「10年史」発刊に寄せて

「10年史」発刊に寄せて
学校長

 昭和47年、その後に続々誕生を見た新設校の先駆として、その名も「北海道の最高峰を志向して生々発展するよう」との願いのもとに「北海道札幌北陵高等学校」として発足した本校は、今年記念すべき創立10周年を迎えました。
 創立の当初は、豊平河畔一条橋の西、旧一条中学校校舎を仮校舎として、初年度生徒数184名、教職員17名でありましたが、昭和49年屯田の現在地に校舎竣功、以来生々発展をとげ、現在生徒数1,359名、教職員70名を擁するに至りました。
 無から有を生み出す創業を偲ぶとき、関係各位の筆舌に尽くしがたいご労苦もさこそと察せられ、感慨ひとしおとともにまことに感謝に堪えない次第であります。
 さて創立10周年を迎えるにあたり、昨年来、記念の式典に併せてささらやかながらも記念の行事、事業を興し、創業の苦難と創業にひきつづく営々たる基盤づくりの辛苦を偲び、もって今後の新たな発展を期そうとの議おこり、PTA、後援会、陵友会、同窓会のご激励をいただきつつ教職員生徒一体となって今日に至りました。
 その計画のいくつかは、それぞれに意義深くすでに実行されましたが、そのひとつである「校訓の制定」につきましては、全校生徒教職員がともどもに考え、意見を出し合い、数次にわたる検討を経て全校の意向を集約し、去る7月24日「自立・敬愛・進取」の3項目に決定いたしました。
 個人としては「自立」、自他とのかかわりにおいては「敬愛」、そして未来を志向する若者としては「進取」の精神を持った賢く、強く、豊かな人間像を志向するものであります。
 校訓の制定はゆるがせに出来ないものでありますが、本校の場合は生徒教師一体となっての総意に基づくものであるだけに出色のものと申せましょう。
 この校訓のもとに、創立当初の願いたる「生々発展」を願ってやまない次第であります。

 さてまた事業のひとつとして、このほど記念誌の発刊を見るに至りました。小冊子とはいえ、創立以来10年の歩みを記録にとどめ、温故知新もって今後の新たな発展を期するよすがにとの願いから、第一編沿革史、第二編実践活動、第三編10周年記念事業、第四編資料の各般にわたって掲載されております。
 この記念誌の編集にあたりましては、ご多忙の中、或いはご執筆を煩わし、或いは座談会への出席、資料の提供等、種々ご協力いただきましたことは、まことに感謝に堪えません。
 厚く御礼申し上げるとともに、今後とも変わらぬお力添えのほどお願い申し上げます。
 終わりに直接編集の労にあたられた方がたに深甚なる感謝を申し上げて記念誌刊行のご挨拶といたします。