教育活動の歩み〜教育相談

教育相談活動の経緯
 開校昭和47年。その開校時から「一人ひとりを大切にし、その特性を育てる」ということを教育理念とした。この理念から、開校当初から教育相談係が置かれ、相談室も個人的な相談の為の三つの部屋を含む施設として総合的に設けられて活動に入った。相談活動の実践例も多く、その教育実践が評価されて北海道教育委員会から表彰を受けている。
 昭和50年〜56年には、年度ごとの研究課題を設けて活動に当たっており、昭和53年〜56年には個人環境調査票の整備、学年事例研究などの活動がある。
 昭和57年以降も、相談係は生徒指導部内に位置付けられていたが、常駐担当者の異動や担任業務の激化などにより、実質的相談活動は休止状態となっていた。
 平成2年度の校内活動計画の中で、校長から教育相談室の実質活動に対する意図が説かれ、「相談室」が再開されて活動に入った。
 活動に当たっては、専任の相談係が常駐して生徒の個人的相談に当たっているが、その他各学年から1名の相談係と、養護教諭とも連絡をとって活動に当たっている。活動は、相談係の生徒に対する相談のほか、学級担任への援助という形で行われている。
 本校の教育目標の柱に「一人ひとりの個性を伸ばす」ことが挙げられていることもあって、再開に当たってもこの相談係・学級担任の行う相談活動の意義は、多くの教師の理解を得、協力が得られた形で出発できた。


相談室の活動状況(平成2年度)
4月 新入生に対するオリエンテーション
5月 全校生徒に対する「相談室」案内
6月 「登校拒否」についての共通理解
7月 「教育相談の考え方」部内研修
8月 「事例研究」についての部内研修
9月 「教育相談室案内」家庭へ紹介
10月 「事例研修会」実施
11月 「自己を見つめて」生徒作文実施
12月 「登校拒否の認識を新たに」研修
3月 「担任の行う面接相談」研修

 これらは今後も年ごとに形を変えて重ねられてゆく課題となるであろう。
 生徒の相談室使用の実態は年度によって異なるだろうが、現在では進路相談・学習相談・生活相談・登校拒否相談などが中心である。
 殊に「登校拒否傾向」の生徒の増加については現代の大きな社会問題ともなっており、本校においてもその例外ではない。この一年間にも、登校拒否生徒との面接は6名16回(両親との面談5回)に及んでおり、時代の抱えている問題として、心をいれて今後も取り組みたい課題である。
 昨今の生徒の問題行動の多様化の中で、生徒指導の有効な方法としての「教育相談」の意義は大きいが、この実践がこの北陵高校において今後一層重ねられてゆくよう期待する。