教育活動の歩み〜読書指導

読書指導
 昭和53年度から始まった校内読書感想文コンクールも今年で14回を数える。もともと読書指導の一環として、全校生徒を対象に夏休みに課題図書を設定しその読書感想文の提出をもって校内コンクール参加作品として扱い、優れたものを10編前後表彰してきた。
 課題図書の選定については国語科が担当しているが、生徒の興味関心の推移や読書傾向の分析を踏まえながら、各年度ごとに読書体験による啓発性の高い図書の選定を目指すと同時に、日常の国語学習の一層の充実深化を願って読書指導の一助として活用意義も小さくないと言える。生徒の反応もおおむね堅実な傾向を示し、啓発力のある作品に触れての優れた感想文を例年結実させている。最近数年の実際例をその一端として以下に示す。


課題図書例(平成3年度夏休み課題図書)
1年
 野菊の墓(伊藤左千夫)
 地獄変(芥川龍之介)
 友情(武者小路実篤)
 生まれ出づる悩み(有島武郎)
 アンネの日記(アンネ=フランク)
2年
 李陵(中島敦)
 こころ(夏目漱石)
 黒い雨(井伏鱒二)
 敦煌(井上靖)
 パニック裸の王殿(開高健)
 茨木のり子詩集(茨城のり子)
 死者の奢り・飼育(大江健三郎)
3年
 沈黙(遠藤周作)
 さぶ(山本周五郎)
 それから(夏目漱石)
 孔子(井上靖)
 青春(伊藤整)


感想文コンクール実施例(括弧内数字は学年)
平成2年度(第13回)校内読書感想文コンクール
 応募作品 621点
 審査結果
  最優秀
  「沈黙」を読んで(3女)
  優秀
  「沈黙」を読んで(3女)
  「野火」を読んで(2女)
  「アンネの日記」を読んで(1女)
  「地獄変」を読んで(1女)
  佳作
  「沈黙」を読んで(3女)
  「野火」を読んで(2女)
  「こころ」を読んで(2女)
  「こころ」を読んで(2女)
  「地獄変」を読んで(1女)
(最優秀作品は「文庫本による読書感想文コンクール」(角川文化財団・北海道新聞社主催)で優秀賞を授与)

平成元年度(第12回)校内読書感想文コンクール
 応募作品 672点
 審査結果
  最優秀
  「李陵」を読んで(2女)
  優秀
  「さぶ」を読んで(3女)
  「黒い雨」を読んで(2女)
  「詩のこころを読む」を読んで(1男)
  「芋粥」を読んで(1女)
  佳作
  「海と毒薬」を読んで(3女)
  「さぶ」を読んで(3女)
  「さぶ」を読んで(3女)
  「黒い雨」を読んで(2女)
  「こころ」を読んで(2女)
  「北の人名録」を読んで(1女)
  「学問の発見」を読んで(1男)

 今後とも、課題図書の選定と感想文の充実の面で一層の研究と努力が期待される。