巻頭言

二十年史発刊に寄せて
二十周年記念事業運営委員長


 昭和47年、札幌市が政令都市に指定され第11回冬季オリンピックが札幌で開催されたその年に「北海道札幌北陵高等学校」が開校し、今年は記念すべき創立二十周年を迎えることになりました。
 創立の当初は、旧一条中学校校舎を仮校舎として開校し、4月10日に晴れて開校式並びに第1回入学式を挙行したのであります。この日を迎えるまでに奔走された初代校長・本間末五郎先生をはじめとする関係各位に深甚なる敬意を表するものであります。
 開校初年度におけるその規模は、生徒数184名、教職員17名でありました。創立二十周年を迎える今日、生徒数1,426名、教職員74名となり、本校の校名の由来であります立派な学校に生々発展するように込められた期待通り「北海道の最高峰」に向かって目覚ましい発展を続けていることは喜びに堪えません。
 創立十周年を迎えた昭和56年には校訓も制定され、生徒が自分を向上させる心の糧となる「自立・敬愛・進取」は、北陵高校の精神として永遠に残る礎なのであります。
 本校の特色であります地域と密着した高校づくりの一環として、PTAの「公開講座」も発展しております。これは父母に限らず地域住民に授業と同じ内容で講座を開くもので、地域と学校を緊密に結びつけるものであります。また「教育懇談会」も北陵高校の父母のみならず、中学生の父母にも門戸を開放し、住民と一体となって地域の発展に寄与しているのであります。
 国際化時代の到来という言葉もいまや過去の言葉となってきましたが、北陵高校におきましても国際交流をめざし、昭和51年1月に札幌の姉妹都市、ポートランドのリンカーン高校と提携の調印を行いました。同年5月にはポートランドのバラ女王が、また8月には柔道使節団が来校し、北陵高校からも親善使節団がリンカーン高校を訪問した歴史があります。近年におきましては「高校生と親と先生の国際交流事業」として、さらに身近で現実的な交流へと駒を進めております。これはホームステイによる生活体験を通じての国際理解のための研修として成果を上げており、今後一層の国際交流が進むことが望まれるところであります。
 さて、創立二十周年を迎えるにあたり、記念事業の一つとして記念誌「はるけき雲や」を発刊することになりました。20年の歴史を振り返りながら、一層の発展を期し、北陵沿革史、教育活動20年の歩み、生徒会・部活動の20年、PTAの事業である北陵だよりや公開講座の紹介、資料などを収録し、貴重な記念碑となるものと思います。
 この記念誌の編集にあたり、ご多忙の中執筆くださった各位、並びに編集に携わった皆様に心からお礼を申し上げ、記念誌刊行のご挨拶といたします。


発刊に寄せる言葉
校長


 このたび、本校創立二十周年を祝して、協賛会、父母と教師の会及び同窓会の皆様の御協力・御支援のもとに、栄えある記念式典を挙行するとともに、北陵二十年史を発刊することになりました。
 顧みますと、本校は昭和47年4月10日、旧一条中学校を仮校舎とし、来賓各位の御臨席をいただき、生徒184名、職員17名が参列して、本校の歴史の幕開けとなる記念すべき開校式並びに第1回入学式が挙行されました。
 以来本校は、校舎の移転・増築、間口増など、幾多の変遷を経て今日に至り、これまで7,295名の卒業生を輩出し、本年は輝かしい創立二十周年を迎えることになりました。
 これを人生に例えると、20歳の成人式を迎えた誠に記念すべき年に当たり、私ども職員は改めて責任の重大さを痛感するとともに、今後一層、全職員が一丸となって努力を尽くし、父母をはじめとする関係各位の御期待に応えていかなければならないと、決意を新たにしております。
 現在、私ども職員は、本校の草創期における関係各位の御苦労を偲ぶとともに、当時の意志を継承し、地域に根ざした個性豊かな学校づくりを目指して、日々教育活動を行っているところでありますが、特に時代を先取りし、全道の先駆的な役割を果たした公開講座、アメリカのポートランド市にあるリンカーン高校との国際交流、学校祭における行灯行列、学年別登山など、他校に類をみない活動を実践し、関係機関はもとより、関係各位からも高い評価を得ているところであります。
 このような教育活動の中から根付いたよき伝統や校風は本校の個性であり、顔であり、そこに学ぶ者の心の拠り所となるものであり、誇りになるものであります。
 本校の個性や顔は、一朝一夕にして築き上げられるものではなく、生徒、教師、父母、同窓生など、関係各位の長年にわたる学校づくりの中から生み出され、根付いてきたものであります。
 本校が生々発展し、このたび記念すべき創立二十周年を迎えることができましたのも、ひとえに歴代の学校長をはじめ職員の並々ならぬ御尽力と、父母と教師の会及び同窓会の会員各位、更には地域の方々の御協力・御支援のたまものと、心から感謝とお礼を申し上げます。
 今後は、創立二十周年を一つの節目として、これまで営々と築き上げてきた本校のよき伝統や校風を尊重し、継承し、改善して、より発展させるよう、職員一同努力を続けていく所存であります。
 おわりに、記念事業の一環として、創立十周年以降の輝かしい歴史を記録にとどめるために、御多忙の中編集に携わり御尽力くださいまいした関係各位に、心から感謝とお礼を申し上げ、発刊に寄せる言葉といたします。