北陵だより第6号/昭和48年12月20日発行


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ご挨拶〜明年秋の移転を期して
建設促進期成会会長


 膨張をつづける大札幌市の中でも、北部地域、特に新琴似地区の発展ぶりは実に目をみはるものがあります。
 昨年の札幌冬季オリンピック開催を契機として、開通した地下鉄南北線が東西線と相前後して麻生町まで延長されることが決定したことは、この地域の人口の急増を意味する何よりの証拠であります。
 人口の増加に伴い、教育人口の伸びも著しく、小中学校が毎年地域内に新たに設置されている状態であります。こうした実情にあることから、この地区への公立高等学校の設置の要請が地域住民の間から関係方面に強く出されたわけありますが、その熱意が実を結び、屯田地区を校地として内定し、札幌北陵高校の誕生をみることができましたことは、これを強く推進した者として、ご同慶にたえない次第であります。
 ところで、昨年11月、校地が正式に決定した際、地域をあげて建設促進期成会をつくり、強力に運動する必要がある旨、障子後援会長から要請があり、楽観は許されないとの判断から急きょ結成することに決定し、不肖私が会長をお引き受けすることになったわけであります。
 当時、予算編成期を迎えていたことから、直ちに行動を起こして、どうにか今年度の躯体工事に要する経費は確保され、鋼材等の値上がり等から難航はしたものの、躯体の建ち上がりを見たことは喜ばしい限りであります。
 さて、いよいよ明年度は移転の年であり、通学関連道路の整備をはじめ、校舎の仕上げ、諸設備の整備、体育館等の新築など、盛り沢山の工事があり、これに要する額は相当なものであろうと考えられます。
 期成会としては、重要な時期にさしかかりますので、道・市の当局は勿論、議会を通じて強力に運動し、明年秋、遅くとも降雪以前には移転できるように努力したいと考えています。皆さまには一層のご支援を賜るよう、切にお願いいたしまして、ご挨拶といたします。

校舎の完成は10月中に―予想される工事内容―
 不自由を我慢して仮校舎での勉強にいそしんでいる生徒は云うまでもなく、毎日通学させている父母も、また学校としても、施設設備の整った学校に早く移転したいという希望は当然のことであり、設置者である道教委としても、その気持ちは同様である。このため、早期完成を推進しようとしているわけである。
 学校側としては、明年10月末を完成の目標とし、遅くとも11月初めには移転したいものと強い願望をもっている。
 それでは、その頃までの完成は果たして可能なのであろうか。工事担当の道工営課の説明では、少なくとも工期として6ヵ月は必要とのことである。この時期までに完成させるためには、遅くとも5月初めには工事契約を終えなければならないことになる。
 3月末に予算が成立したとしても、発注準備期間は1ヵ月程度しかないことになり、従来の例では5月中旬に入札を執行している場合が多く、完成の時期も12月になっている例が多いことからも懸念されることろで、特別な措置を講じてでも早期移転ができるようお願いしているわけである。
 では、その工事内容にはどのような分野があるのであろうか。
 本年度建ち上がった本校舎の屋上、屋根工事のほか内外装の仕上げ、電気、暖房、給排水関係設備工事を完成させるとのこと。
 また、未着工の体育館、格技場の建築工事がひかえており、体育館なしでの移転は考えるべきではないので、この方も着工を急ぐ必要があるわけである。
 更にはグランド、校舎周辺の環境整備も必要であり、学校としては校舎、体育館等の建物の完成を含めて、屋外運動場等についても基礎的条件整備はぜひとも明年度中に完了して貰う必要があるとして、関係当局に要請しているところである。
 いずれにしても、これらの工事を完成するためには、相当額の予算が必要であり、これら必要予算の確保が大きな問題となり、力強い運動を展開することが必要なことはいうまでもないことである。

新校舎への歩み
<昭和47年>
11・7 校地買収契約調印、校舎建設地正式に決定
11・24〜25 校地決定に伴い、道、地元関係者に挨拶まわり
12・2 校地決定に伴い、地元有志との懇談会開催される
12・4 市役所関係挨拶まわり
12・5 校舎建設促進対策につき、合同運営委員会開催
12・12 道議会文教委員に挨拶まわり
12・14 新琴似地区協に関係者出席協力方要請 12・15 建設促進対策協議のため、合同運営委員会開催
12・20 建設促進期成会発足。規約、組織、運動方針決定
12・22 期成会活動開始、市役所訪問、関連道路その他の環境整備方要請
12・27 校舎第一期工事、丸彦渡辺建設KK落札
12・29 杭打工事着工
<昭和48年>
1・18 合同運営委員会開催
1・23 期成会道、道教委訪問、校舎建設促進方を要請
1・24 PTA臨時総会開催、署名運動実施。なお地元有力者による署名運動行われる
1・30 道議会に請願書提出
2・2 規制会長ほか道議会文教委で請願の主旨説明。引き続き道、道教委に陳情
2・5 市議会、市長ほか関係局長に道路整備につき陳情請願
2・14 期成会長ほか市議会建設委で請願の主旨説明。昭和48年度予算案ほぼ固まる(本校分2億1千700万円)
2・26 市議会建設委員請願道路現地視察
2・28 定例道議会招集、予算提案される
3・7 市議会において関連道路整備方の請願採択される
4・1 道議会において、校舎早期完成に関する請願採択される
5・8 教育庁、工営課訪問、早期着工方を要請。この間、資材高騰のため発注遅れる
6・22 建設工事入札執行不調、丸彦渡辺建設と随意契約
6・28 機材搬入、作業開始
7・16 後援会役員現場施設
7・17 後援会運営委員会開催、工事遅延につき協議
7・24 丸彦渡辺建設訪問、工事遅延につき意見交換
7・25 校内に内部設備計画等の4委員会を発足させる
8・8 後援会員工事現場慰問
8・31 B棟基礎分コンクリート流し込み
8・31 通学対策につき、両会長来校打合せ
9・5 中央バス営業所訪問、バス路線について検討要請
9・6 通学対策につき、合同幹部会議開催
9・20 B棟1階部分コンクリート流し込み
9・11 工営課技師来校、校舎計画内容につき打合せ
9・14 市交通局訪問、バス路線延長等の実現方要請
9・27 A棟床部分コンクリート流し込み、市役所訪問、道路整備方につき要請
10・4 期成会役員会開催
10・9 B棟2階床部分コンクリート流し込み
10・17 A棟1階床部分コンクリート流し込み
10・20 内部設備資料提出説明
10・30 合同運営委開催
11・6 教育庁訪問、明年度工事、条件整備方を要請
11・10 A棟2階床部分コンクリート流し込み
11・14 期成会幹部会議開催、明年度対策につき協議


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新校舎の早期完成を願って―会員20余名現場慰問―
後援会長



 わが北陵高校が開校して早くも1年と8ヵ月を過ぎました。その間、会員各位にはご壮健でお過ごしのこととおよろこび申しあげます。
 さて、「北陵だより」の紙上をお借りして、会のその後の経過等を簡単にご報告いたします。定期総会の席上、次の4点の重点目標を申し上げ、ご承認いただきましたので、直ちに活動に入りました。
1.新校舎の建設促進
2.新校舎周辺の環境整備
3.移転時の交通機関の整備
4.本校の教材教具の整備
の4つでした。
 先ず、校舎の建設促進については、促進期成会、PTA、後援会の役員が校長、事務長と打揃って道庁を訪れ、知事さん、山本教育長さんにご挨拶申し上げ、その足で関係部署を歴訪し、計画通りの建築を強くお願いしました。
 皆さん方のご努力によって今年度の予算はきまったのですが、春以降の資材の値上がりにより工事の発注が遅れ、丸彦渡辺建設KKが引続き請け負うことになりましたが、鋼材などの入手難のため、工事の方は予定通りには運びませんでした。このため、PTA会長と私が学校側と共に、丸彦渡辺建設の藤田専務にお会いし、工事の促進方をお願いしたわけです。
 なお、工事促進の意味で後援会として現地慰問をすることになり、20人余りの参加をいただき、8月8日に実施しましたが、現地の人達から大変喜ばれました。
 このように、遅れていた工事もその後順調になり、現在のところA棟が2階まで、B棟は3階までコンクリート工事が進み、後一息というところまでいっています。今年の工事は建物の側だけで、明年は内部の施設設備と体育館の完成ですが、その他の付帯工事を入れてその必要予算額は約5億円程度必要といわれています。
 第2項については期成会を中心に、学校、PTA、後援会が一緒になって市役所、区役所を訪問し、移転時には関係道路の拡幅と整備が終わるように、数回にわたりお願いしております。
 第3項については、本校の事務局が中心になって在校生徒の市内分布図を作製し、関係資料を整えて、同じメンバーで市交通局を訪問し、本校生徒の通学に支障なきように、現在のバス路線の一部変更と増発をして貰うように運動しています。なお、中央バス関係については、本会の菊田副会長が中心になって、強力に運動を進めています。
 以上簡単に書きましたが、どれをみても困難なことばかりで、特に多額の予算を必要とするだけに容易なことではありません。一期生が早くも卒業期を迎えますので、道内高校でも内容の整ったモデル校を築こうではありませんか。

難航する新築工事
ようやく骨格をあらわす

 昨年暮れから、吹雪をついて行われた地盤強化のためのパイル打ち工事は、今年2月に終了した。
 第2期工事は、2億1,700万円の予算化により早期着工がのぞまれていたにもかかわらず、鋼材等の異常な値上がりのため、工事発注が遅れ、関係者をやきもきさせていた。
 6月に入って、工事費上積みの目途がつき、入札が行われたが、落札者がいないため、前年度工事の請負者と協議の結果、随意契約が成立し、どうにか工事は開始されることになったわけである。
 ところが、準備作業には取りかかったものの、鋼材の入手難で容易に工事は軌道に乗らなかった。このため本間、障子の両会長は学校側と共に丸彦渡辺建設KKを訪問、促進方を要請した。
 このように、躯体工事は難航を重ねながらも、8月31日にはB棟基礎部分のコンクリート流し込みを終わり、9月以降になって工事は本格化し、石狩平野にようやくその威容をあらわしはじめたのである。
 10月30日にはB棟3階床部分を、11月10日A棟2階床部分と、訪れる毎に高さを増し工事の進行がみられるようになった。そしてしぐれ、みぞれの悪天候、その他の悪条件と闘いながら工事は連日続けられ、貯油タンク、煙突、汚水槽等の工事も着手され、どうにか年内には予定されている工事はほぼ終了できるものと思われる。
 なお、この間8月8日には後援会の企画により、会員約20名が参加して工事現場の慰問が行われ、工事の進行状況について説明をきき、作業員を激励した。また、10月下旬、1年生全員が市内地理巡検の途中、現地見学が行われ、自分たちの学校が造られているのだということを実感をもって味わったわけである。


[北陵だより第6号 附図]


[北陵だより第6号 附表]


[北陵だより第6号 3ページ]

移転が遅れた場合、その問題点は
 47年4月に入学した1期生も、明年度は3年生となり卒業期を迎えるわけである。
 新1年生を迎えるので、生徒数は900名を越え、仮校舎は満杯になり、屋内グランドは中庭だけで、スポーツも充分にできない生徒たちは、1日も早く新校舎で伸び伸びとした学校生活を送りたいと思うのは当然のことであろう。このため、学校側としては、父母と一体となって早期完成を訴えているわけであるが、別項の通りの事情から容易なことではなく、幸い予算も確保され順調に工事が進んだ場合であっても、10月末頃と見込まれる。
 不幸にしてそれ以降に移転が遅れた場合の問題点は、どのようなことがあるだろうか。
(1)学校経営上の立場からは、校舎管理、特にボイラー等暖房機器の調整に時間がかかり、道路の整備、除雪対策が新たな問題で、バスの通行が要望通り実現したとしても、地理的、気象上の点から円滑を欠く恐れはあり得ること。また、暖房を仮校舎でも準備する必要があり、無駄な面がでること。
(2)生徒の立場からは、全体的には距離が遠くなり、現在より不便になることは避けられない。通学先が変わることには、ある程度馴れが必要であるから、新しい校舎で勉強できるという喜びはあるとしても、冬になってからの移転は好ましくない。特に3年生は卒業を目前にして、進学準備の大切な時期にあり、落ち着いた状態で準備に当たらせたいものである。また、新校舎で過ごす期間が短いことは、学校に対する愛校心を養ううえからも、早期移転が望まれるわけである。

内部設備の整備はどうなるか
 校舎施設の整備は、学校建築の基本であるから、種々の曲折はあるにしても建てられることは間違いないが、内部設備が充実するか否かは、立派な学校といえるかどうかの大きな問題である。
 このため、学校としては設けられる部屋毎に、設備されるべき品目、数量を調査し、これを基本的設備については新設に伴うものと移転によるものとに分類して、新設に伴うものは移転する年度に、移転によるものについては緩急の度合いに応じて50年度までに整備して貰うよう、道教委に対して要請中である。
 教材、教具については、一挙には困難なので、短期の年次計画によって整備することとしている。
 学習用図書については、生徒1人当たり最低5冊が必要とされているので、本校の場合は約5,000冊にすることが必要であるが、この方も昭和51年度までの年次計画によって整備して貰う方針により、目下折衝を進めています。
 また、教育の効果を高めるための視聴覚室の整備や、学校運営の能率化を図るために校内電話交換設備の整備等も欠かすことのできない設備である。
 本校は開校以来、道費による備品購入費は約2,000万円、理科、家庭科、数学等の国庫補助事業で約450万円、合計約2,500万円程度の予算が投入されているわけであるが、明年度移転の時点で要する額は、導入することを計画されている教育近代化関係(校内テレビシステム、教育工学室)設備を除外しても、約2,000万円程度の予算が必要になるものと見込まれており、これを確保できるかどうかが今後の大きな課題であるといえよう。

グランドはどのように整備されるか


 グランド、テニスコートなどの屋外運動場の整備は、高校にとって校舎等の施設設備の整備と並んで重要な問題である。しかし、現実はかなり後回しになっているのが例である。それは、校舎の改築等に追われ、予算の関係でグランド整備まで手がまわらないこと、立地条件の悪いところでは莫大な経費が必要なのに対して、僅かばかりの予算を多くの学校に配分されるため中途半端となり、年数を要することにならざるを得ないというのが実情である。
 本校の場合は、海抜4〜5メートルの泥炭層という悪条件にあるほか、校地の東・北に水田灌漑用水路が敷地よりも高いところを通っており、このため校地を良好な状態に整備するためには並大抵のことではなく、排水施設を完備させ土砂を相当の深さまで入れ替えをすることが必要になるなど、多額の予算の投入と共に労力による手入れが必要である。
 学校としては、可能な限り短期間に整備することを前提として、移転する年度の予算で暗渠の埋設、周囲への排水溝の設置、必要な土盛り、整地転圧等の基礎的整備を終えて貰うよう、道教委に要請しているところである。
 以上の基礎的工事さえ済ませることができれば、移転の翌年から広場として使用することが可能であり、陸上トラックの走路部分の改良など段階的に整備していくことができるわけである。
 一方、テニスコート部分については、本格的な土砂の入れ替えが必要で、この工事はなんとかして明年度中に実施したいものと念願しているが、校舎部分と接近しているため、困難が予想される。

木を寄贈してください
環境美化にご協力を

 学校では、移転に備えて環境整備の計画を進めています。校地の周りに植える苗木は、営林局などのご好意により、ある程度用意し仮植えをしています。
 ところが、車まわしその他造園を要する部分に必要な樹木(オンコ、マツなど)は、道費による購入の可能性は全く困難で、他の学校でも父母その他特志家のご寄贈によっているのが例です。  そこで、学校としてはご家庭の庭園などが混み過ぎて間引きをしなければならないなど、ご寄贈いただける樹木がもしある場合は、喜んでご寄贈をいただき、環境美化に役立てさせていただき、また生長発展する北陵高校の将来を見守ってやって貰いたいものと念願するものです。
 決して立派な木でなくとも結構です。お気軽にお申し込み下さることをお待ちしています。お願いできる見通しを得たうえで具体的な造園計画を考えることにさせていただきたいと存じます。なお、すでにご寄贈をいただきました方に、心から感謝申し上げます。


[北陵だより第6号 4ページ]

校地内を緑に
望ましい環境づくりをめざして



 学校などの教育施設は、他の商社、官公庁等の場合よりも清潔であり、教育的に配慮され、美化されなければならない筈であるが、多くの場合、全く逆のようである。
 学校施設は、特に広大な面積を必要とし、その整備管理に多額の経費を必要とし、人手を要するからでもあろう。最近、環境問題がやかましく云われるようになり、札幌市立の小中学校では、公費による校地内の緑化などに手がつけられるようになってきた。
 道立学校については、現在のところ一歩遅れをとっている感じである。それは、PTA等父母の負担協力によって従来環境整備が行われてきたからでもあり、設置者としての道当局はそこまでは手がまわりかねるというのが実態であろうと考えられる。
 そこで、屯田3番通りから校地までの取付道路の整備は勿論、校門通路への砂利敷き(将来簡易舗装することを前提にして)、空間地は芝生とするための蒔き芝、排水溝の設置など、基礎的条件整備はぜひ道費で移転時までに実施して貰いたいと要請しているところである。なお、取付道路への街灯、自転車置場などもぜひ設置する必要がある。
 また、校地の周囲には防風林としての役割を果たすと共に、粉塵防止のための植樹が必要であり、校舎の周辺には車まわし、その他の個所には花壇、造園等の工事を実施する必要があり、目下その具体案を検討中である。

新校舎への通学方法は―交通機関の確保に努力―
 札幌市内の交通機関は、現在一部地下鉄南北線が運行されているほか、その殆んどがバスに頼っており、周辺部から中央部へのいわゆる中央集中型の交通体系となっている。従って、中央部に位置している現在の仮校舎への通学には問題はないが、新校舎は北区屯田町に建設されるので、移転後の通学対策が大きな問題となる。  そこで、学校では現在の在校生540名の分布状況を分析し、明年度入学する新1年生の予想分布の割合を推定し、どのような通学対策を考える必要があるかを検討した。なお、本校の現在の募集学級は8間口であるから、このままの間口でいくものとして、完成年度(昭和50年度)の総学級数は24学級、1,080名、職員数は約60名となるが、移転する予定の明年度の生徒数は900名であることから、当分の通学対策はこの人員を基礎にして考えることとした。
 生徒の地域別の分布状況及び交通手段別の通学方法の予測は、別項の通りであるが、本校新校舎へ通学する場合の問題点は次の通りである。
(1)西区方面からの場合は、隣接区に位置しながら一旦都心部に出て、北区方面への交通機関に乗り継がなければならないため、通学時間が長くかかり、交通費が著しく増大する。
(2)東区方面については、都心部又はそれに近い地点で乗り換えなければならず、かなりの不便がある。
(3)厚別地区は北学区内にあるが、現状では通学がかなり困難であると考えられる。従って、札幌新道の早期開通が望まれる。
(4)最後に、路線運行区域の問題であるが、新校舎の位置は屯田町にあり、中央バスの運行区域になっており、市営バスの乗り入れができない地域であるため、乗り継ぎに時間を要し、また交通費のうえでも不利であること等があげられる。
 新校舎の移転に当たって、以上のような問題があるので、次の事項について関係方面に要請しているわけである。
(1)市バスについては
ア.新琴似、琴似駅前間の路線を西野ターミナルまでの延長(3km)
イ.札苗線方面から麻生町方面への短絡する路線の新設
(2)中央バスの関係では
ア.札幌ターミナルから屯田団地までの路線延長(北陵高校まで)
イ.地下鉄北24条駅ターミナルから屯田団地までの路線の延長
 以上の通りであるが、そのうちでも最も緊急度の高い路線は西区方面の対策であり、札苗線方面からの問題は生徒数の関係から困難性があるものとみられる。

通学道路の改善にご協力を
 市街化調整区域(一般的に住宅などは建てられない区域)に建てられる北陵高校の新校舎への通学対策は、その前提となる通学関連道路の整備が重要課題であり、これを校舎建設促進期成会(会長:菅進市議)では、昨年来札幌市当局に強く働きかけてきているところである。即ち、屯田3番通り、屯田第2横線(新琴似第3横線を含む)、琴似―新琴似間の3路線である。
 なかでも、屯田3番通りは石狩街道から本校新校舎へのメインルートであり、将来石狩湾新港の開設に伴って重要路線となることは明らかであるが、現時点での交通量はそれ程大きくはないため、本格的な改善の見通しは困難な情勢である。しかし、篠路方面からは距離も近く、自転車通学が予想されるので、これが可能なように歩車道の分離、拡幅を要請している路線である。
 次に、新琴似から屯田団地の西側を通って北陵高校に通ずる屯田第2横線(新琴似地区では第3横線)であるが、新琴似からの交通量が増大することが予想されるのに対して、現状は一部拡幅された部分もあるが、その殆んどは狭く、バスの運行にも支障があると考えられるので、徒歩または自転車による通学に当たっても危険がないよう、拡幅整備を要請しているところである。しかし、短期間での改善はむずかしい模様である。
 最後に、琴似駅から新琴似に通ずる道路の改善についてであるが、本年下水管が敷設され、道路整備の基礎的工事は半分だけは済んだことになるが、新川付近の札沼線の取扱い、国庫補助を受けていることなど、問題もあるようで、簡単にはいかない路線と云われている。しかし、道路の整備は通学条件改善についての基本問題であるから、粘り強くその改善方を訴えていかなければならない事項である。

編集後記
▼「北陵だより」第6号、《新校舎の構想》というテーマで特集を出しました。今回の特集に当たり、事務長には多大のお世話になりました。厚くお礼申しあげます。
▼明年秋には移転を終え、一期生を新校舎で卒業させたいものです。