北陵だより第10号/昭和49年12月10日発行


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校舎移転を前にして
校長

 かねてから進めて参りました本校校舎の建築工事が、一応竣功しこの度移転することになりました。
 昭和47年開校以来3年、校地が決定して満2箇年、この間仮校舎での不便な勉強にも終わりを告げ、名実ともに本校舎で学ぶことができることになったことは、遅きに過ぎるという面もないではありませんが、よろこばしいことと思います。
 この間、経済情勢の変動、資材の暴騰等の悪条件のもとにあって立派な校舎の完成をみたことは、関係者のご理解とご協力の賜と心から感謝申し上げる次第であります。
 特に、PTA、後援会をはじめ、建設促進期成会の方々が、予算の獲得や環境改善に東奔西走され、移転できる条件が一応整いましたことは、大きな感激であります。
 ところで、体育館は3学期から使用できる見通しですが、校舎の増築、グランド整備、取付道路などの問題をかかえていますが、本校創設の意義を再確認して、施設設備の機能を充分に活用し、教育の効果をあげることに努力する決意でありますので、よろしくご協力をお願いしたいと思います。
 第1回生の諸君には、門出を目前にひかえ、最後の仕上げに精を出し、立派に巣立ってもらい、北陵高の栄誉を高めていただくことを心から期待し、移転に当たってのご挨拶といたします。

新校舎移転決まる


 仮校舎での開校、建設地の決定、建築構想の立案、建築面積・配置計画決定、工営課移行後の設計作業、地盤調査、パイル打ち工事着手、建築資材の高騰と入手難による躯体工事の遅れなどの経過を経て、本年を迎え、新校舎の建築工事は最終コースに入った。
 つまり、完成移転に向けて必要予算確保のための運動が期成会を中心に後援会、PTA、学校が一体となって力強く行われた。
 そのかいあって、資材の高騰、総需要抑制という悪条件下にあって、道教委、道、道議会の深い理解により、3ヶ年で完成移転という方針は貫かれて、5億4,000万円の予算が決定された。
 今年度の工事は、昨年度の躯体工事に引き続き、内外装を含む建築仕上げ工事、給排水等の衛生設備、暖房、電気工事などの完成と体育館の新築工事であるが、校舎の方は引き続き丸彦渡辺建設ほか3社が担当して、6月から再開され、まず順調に進められた。
 この間、業者と道工営課、学校側で、他に例を見ない程綿密な施工上の打合せが行われ、また2回にわたり後援会役員による現場慰問も実施され、業者の誠意により工期は繰り上げて施工され、出来ばえも上々で、この程施工引き渡しを受けることになったものである。
 一方、体育館新築工事は発注が遅れ心配されたが、8月6日入札の結果、三ツ輪工務店が担当して8月下旬から本格化し、10月末に骨格組立、屋根、外壁工事をほぼ終了した。目下内部工事を急いでおり、年末にはほぼ完成の見込みである。
 更に新校舎への受電も開始され、電話の移設、ボイラーの試運転も行われ、新売店も開店準備に入るなど、着々移転準備は整っている。

施設設備について
 竣工された新校舎は、面性7,041平方メートル、総工費7億3,000万円で、A棟とB棟の2棟からなり、ほぼL字型に構成された3階建鉄筋コンクリート構造、水洗トイレ、重油使用のボイラーによるスチーム暖房、アルミサッシの近代建築物である。
 A棟中央に、アクセントのある生徒玄関が配置され、風除室を通って中に入ると、突き当たりが本校独特の学生ホール、職員玄関から右に事務室、校長室等がある。
 普通教室は前面南側に置かれ、北側はボイラー室、電気室、保健室等があり、その上には生徒会室、教材研究室等のほか調理、被服、作法、数学、美術、書道等の特別教室が2階から3階にわたって配置されている。屋上からの展望はすばらしく、手稲の山々をはじめ、間近に屯田団地、今後発展が約束される石狩湾新港方面を一望することができる。
 一方、B棟には1階に理科部門の各室がまとめられ、2階に教員室、音楽室(練習室3室を含む)、教育相談室(面接室3室を含む)、進路指導室、会議室がある。
 3階は最も特色のある部分で、メディアセンターとしての機能を果たすことになる関係各室が置かれている。
 それは、充実した設備をもつ視聴覚室、落ち着いた環境にある図書室、空調装置のあるスタジオ、録音室、調整室からなる放送部門、本校独特の教育工学室がある。
 またトイレットは、A棟北側中央部各階に配置されており、その横の渡り廊下により体育館に通じている。
 体育館は、延面積996平方メートルの標準型で、10学級募集となった本校としては満足できる広さではないが、丸型トラス構造、照明も十分の新体育館は、大いに活用されることが期待される。

移転計画について
 新校舎への移転は、まず現在使用中の調理台、理科実験台等の水道・ガス等の管を取り外し、11月25日運搬が始まった。
 一方食器類、理科実験器具、その他の各種備品、図書、資料等の整理、段ボール箱詰め等の作業は、職員、生徒の手により行い、12月13日・14日の両日トラック延台数40台により、新校舎へ運搬する予定である。
 運搬後の荷物は、原則として業者の手により各室へ運ばれるが、荷ほどきのほか、整理整頓は職員生徒によって実施される。
 また、各室の各種備品、暗幕、カーテン等の購入も進めており、移転後間もなく搬入、取りつけられる見込みである。
 移転後の授業開始は、荷物の整理、清掃等がすみ次第速やかに行われることが望ましいので、16日からの見通しである。

新校舎電話番号
 772-3051  772-3052  772-3053


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PTAの動き
いなり寿司で慰問
 多くの人々の願いのうちに、新校舎建築は最後の仕上げに入り、引越しの日が待たれるところです。
 後援会では、8月の慰問に引き続き、10月30日、最後の現場慰問を行いました。冷たい風の強い日でしたが、校長先生、事務長はじめ正副PTA会長の特別参加をいただき、会長を先頭に21名の委員が現地に集合、和気あいあい楽しい慰問と見学をする事ができました。広い校舎の各所には90名の作業員の方々が最後の追い込みで一生懸命でした。
 2箱の大箱みかんと180個のジャンボいなりは大変好評でした。細かい所にまで心をくばった設備の数々、今後の北陵高校の発展を願ってやみません。

石狩地区父母懇談会開かれる
 9月10日、石狩地区PTA懇談会が開催された。これは石狩という地域的事情、また地区会員6名のたっての懇請によって開かれるに至った。当日は会員6名(1年)、学校から校長ほか4名の教員が出席した。
 会は当日世話役の先生から、諸般の事情を考え将来北陵高の石狩地区支部として成長させたい旨のご挨拶があり、次に校長から本校の教育目標、新校舎の建築状況などの説明があり、続いて第1学年のこれまでの歩み、今後の展望が話された。
 そのあと、会員手作りによる石狩鍋を囲み、互いに膝を交えての懇談に移り、夜9時過ぎ話題の尽きないまま散会となった。

新校舎移転を喜ぶ
 寒さが身にしみる季節となり、会員の皆様には何かとご多忙のこととお察し申し上げます。
 今年も余すところ僅かとなり、振り返ってみると、騒乱物価と政局の動きなど、目まぐるしい年であったと同時に、北陵高校としてもなかなか多事多難な明け暮れであったと云えます。
 さて、本年工事の出来は、ひとえに予算の大小により大きく左右されるのが現実であり、このため学校長をはじめPTA、後援会、促進期成会のそれぞれの役員が一丸となって、知事さんをはじめ教育長、担当部局に対し、数回にわたり陳情請願を繰り返す一方、工事現場にも出向き、慰問激励を続けるご熱心さに、同行の一員として私自身大変な勉強になったと感謝している次第です。
 不幸にして異常な建築資材等の値上がりなど、最悪の条件下に残念ながら全工事が完了するところまでには至らなかったことを遺憾に存じますが、曲りなりにも12月上旬頃を目途に、新校舎への移転準備が着々と進められていることは関係者の一人として本当に嬉しく思う次第でございます。
 予算の関係で50年に繰り越された取付道路、増築工事、格技場、グランドの造成整備などの諸問題がありますが、引き続き周到な運動を続け、努力を惜しまぬ決意でありますので、何卒会員各位のご協力ご支援を切にお願い申しあげましてご挨拶といたします。

新校舎への通学は
 バス問題は、屯田地区が中央バスの営業区域となっているため、同社に対し必要便数の確保、屯田団地線の終点までの延長を要請し、今春から具体的に運行時刻を示して折衝を続けた結果、ほぼ要望通りの時間帯で必要便数が12月から運航されることになった。
 中央ターミナル発が、石狩街道経由(所要時間35分)5本、西5丁目通経由(途中北24条駅経由、41分)3本のほか、北24条発5本、計13本が運行されるので、特別の事情がない限り8時40分までには全員が登校できるものと見込まれる。
 また、下校便についても、順調に帰宅できるものと見込まれる。
 一方、西区方面からの通学については、都心部経由による時間ロスを避けるため、市交通局に西野ターミナル・新琴似駅間の市営バスの路線新設をかねてから要望した結果、これが実現し、冬ダイヤ移行に先だって運行され、新琴似駅前で中央バスに乗り継ぐことが可能になる。
 また、要望の強かった市バスの学校前までの乗り入れについては、運行区域が定められている実情から、実現は困難であった。
 更に、両バスの料金の相互通算制の採用は、現在実施中の地下鉄からの乗り継ぎの場合を除き、すぐには困難で、今後の課題であろう。
 また、登校の場合の注意事項として、後の方のバスが混みあうことが予想されるので、早目に家を出るようにすることが大切である。

話のひろば
我が家のアルバム

保護者

 我が家のアルバムとは、写真ではなくレコードのことである。
 我が家にはレコードケースが2つある。1つは居間のステレオの下に、あと1つは私の化粧鏡の下に置かれている。ステレオのそれは最近のレコードばかりだが、鏡の下のレコードにはたくさんの想い出がこめられている。
 昔、子供が物心がつかない頃、月賦で買ったポピュラーやクラシックのアルバム、今では珍しくなってしまったSPの童謡などが雑多に入れられている。
 夫婦共に音楽好きなので、給料日ごとに1枚と頑張った時代もあった。それもいつか子供達が成長するにつれてステレオを占領されるようになり、レコードの数も知らず知らずのうちに子供達を中心にふえていった。
 それらのレコードをたまに引っぱり出して聞いてみると、子供達の成長の経過、すぎた昔がしのばれる。童謡、怪獣もの、ウルトラマンの主題歌、グループサウンズ華やかなりし頃のレコードの数々、そしてビートルズなど……。
 最近、高3の子供は、ニールヤング、デヴィッドボウイ等、ちょっとひねった感じのものに魅かれ、中3の女の子は和製フォークのレコードを単発的に買ってくる。親の方は、この頃あまり買わなくなり、最近のものとして、シャリーバッシーのLP、サンタナのシングルくらいのものであろうか、それでも親のレコードを子供達が聞いているのを見ると、親子の対話を大切にし、音楽を共に楽しみたいと思う。
 子供達はどんどん成長してくれるだろう。我が家のレコードケースには、今後どんなアルバムがふえていくのだろうか、楽しみである。


[北陵だより第10号 3ページ]

見学旅行
見学旅行を終えて
2学年主任

 本年度の見学旅行は、10月24日から29日まで、5泊6日の日程で実施されました。千葉教頭を団長とする378名の一行が、東海地方、奈良、京都を見学してきました。
 今回の旅行は、主なねらいを「教室を移動する」「自主的に研修をする」「団体生活のルールを守る」ことに置きました。つまり単なる観光旅行に終らないようにしたいと考えたわけです。そのために、事前研修にも充分配慮して生徒達が自分の目で、耳で、肌で学び感じ取って、貴重な思い出を作るように指導しました。
 24日朝、期待に満ちて出発しました。父母、先生方に見送られ、別離の感傷もすこし。
 慣れない寝台車で、寝苦しい一夜を明かし、2日目、東海地方の研修をむかえる。集約農業の状況と夜空に火を吐く四日市の工場群が印象に残ったようです。特に三ヶ日でのみかん摘みは楽しい体験で、十数個食べた強者もいました。
 26日、法隆寺、薬師寺、奈良市内見学。暑い。バス内の温度は30度をこえ、北海道の夏のような気候でした。暑さにバテ気味ながら、生徒達は寺院、仏像、自然の中に古代を嗅ぎとろうとしていました。特に薬師寺の東塔、寺僧の話が好評でした。
 27日、グループ単位で自主的に立てた計画に基づいて研修する一日。「京染め」「京扇子について」「西芳寺を訪ねて」等々、様々のテーマで事前に調査したものを、自分達の目や耳でじかにたしかめる。やはりこの日が一番手ごたえのある、実りある研修になったようです。
 28日、かけ足で京都市内を団体見学。そして一路札幌へ。
 以上総括すれば、ハードスケジュールの中を生徒達は節度ある行動で終始し、各自が貴重な思い出を作ったようです。天候にも恵まれ、大変良い旅行でした。

弥勒菩薩のほほえみ
2年生女子

 広隆寺じ行って弥勒菩薩像を見てきた。弥勒菩薩像を見ていると、まるでそれは生きているような輝きを持っていて、素晴らしかった。口でどう説明しても、実物を見た人でなければこの気持ちはわかるはずはないが…。弥勒菩薩のかすかな優しい微笑みは、私の今までの生活のすべてを…誰も知ることのできないだろうと思われる私の心を見透してしるようで背筋に冷たいものを感じた。また、生きているようなその像は、寛大な心を持っているようにも思えた。だから私は、その像を見ていると、つらい事や悲しい事でも慰められるのではないかなあ…と思った。像が、ものを言うはずはないけれど、黙って見ていると―おまえの今までの悪をすべて許してやるよ―と言ってくれそうで、私はその像にすがりたい気持ちになった。
 これは私の都合のいい空想かもしれない。でもあの微笑みはなんて穏やかで寛大なのだろう。私はあの像を見て、何もかもが清められた思いがした。目も耳も口も…何もかも…。だから、もう何も見たくないと思った。何も話したくないと思った。弥勒菩薩像を見てとても感動し、素晴らしいものを得たのに、それを文字として表わすのはとうてい無理な話で、誰にもわかってもらえないのが残念でならない。

第1回生 記念植樹行う
 秋の終わりの10月9日、新校舎において第1回の卒業予定者による記念植樹が実施された。卒業予定者180名全員、校長、事務長、3年担任の先生方で苗木を1本1本丁寧に順序よく植えた。
 組ごとにアカエゾマツ、チシマカラマツの針葉樹、エゾヤマザクラ、シラカバ、ナナカマド等の広葉樹等200本、植樹後は各クラスの標識をたて、その前での記念撮影等、意義ある記念植樹であった。やがて緑の大樹になると思う。

校歌の歌詞きまる
 生徒ならびに父母各位から待ち望まれていた校歌の歌詞がこのほどできあがりました。現在札幌藻岩高校校長であり詩人としても活躍されております、瀬戸哲郎先生の作詞によるもので、曲の方は北海道教育大学札幌分校教授横谷瑛次先生が現在作曲中です。

北海道札幌北陵高等学校校歌
 作詞 瀬戸哲郎 / 作曲 横谷瑛次
1.
 はるけき雲や 手稲山
 先人ねむる みどり野に
 未来を開く 抱負あれ
 いらか巍々たり わが校舎
   若き人 夢おおく
   えい智に もえて
 真摯に学ぶ あけくれを
2.
 発寒伏篭 ながれゆく
 豊かなる郷 屯田に
 未来を開く 個性あれ
 いらか巍々たり わか丘べ
   若き人 夢おおく
   えい智に もえて
 身心をねる たくましく
3.
 真白き雪は 頬を染め
 梢にうたう 鳥の声
 未来を開く 不屈あれ
 いらか巍々たり わが道よ
   若き人 夢おおく
   えい智に もえて
 こころざし知る ひとすじに

地理巡検終る
 今年の社会科地理巡検は、紅葉の季節をむかえた去る10月11日から6日間行われた。この巡検は、地理野外学習のひとつで、生徒自身の目で郷土の歴史や地理を観察するもので、昨年に続き今年で2回目。
 見学コースは昨年とほぼ同じで清華亭、石山通、藻岩山、真駒内団地、厚別流通センター、苗穂、丘珠、石狩街道、花畔、新校舎建築現場(屯田)、新琴似、琴似屯田兵屋、桑園など札幌市内と周辺の約100キロのコース。クラス毎にバスを利用してのこの巡検で、郷土の歴史の跡や、めまぐるしく変化する都市の姿、都市開発のゆがみなどを観察した。今、若い生徒の目に映った郷土の姿をレポートにまとめる作業がすすんでいる。

能・狂言鑑賞会開かれる
 本校では、年に一度の文化行事として、全生徒を対象に芸術教室を開催しており、昨年度は札幌交響楽団を聴きましたが、本年度は去る11月6日(水)午後より、札幌市民会館特設舞台において「能・狂言」の鑑賞会が開催されました。
 国語科古典の教科の一環として事前の指導が行われ、又舞台進行中の解説の下に、重要無形文化財保持者の山本東次郎氏他による舞囃子「船弁慶」、狂言「千島」「棒縛り」などの上演を、最後まで熱心に鑑賞して会を終えました。


[北陵だより第10号 4ページ]

第2回北陵祭 躍進―1000人の力で―


 第2回北陵祭は、「躍進―1000人の力で―」を統一テーマに、9月13日〜15日まで、3日間にわたり開催された。
 13日午後5時、高鳴るファンファーレを合図に、副会長が力強く開祭を宣言した。校長から「全体の力で北陵躍進の契機にしようという心意気がうれしい」との言葉があり、つづいて生徒会長から「全員一人ひとりの創意と工夫と努力が実を結んだ」旨の挨拶があり、更に実行委員長が「雄大な充実した北陵高を築いていこう」と結び、前夜祭のアトラクションに移った。
 全クラスが趣向をこらして作製した行燈に点火され、行燈の取り巻く中でヤングソングを大合唱し、祭り気分が盛り上がった。また、生徒からの圧倒的な要請を受け、先生方も舞台に立たされる一幕もあり、生徒を喜ばせた。次にフォークダンスに移り、若い1000人のエネルギーを爆発させ、前夜祭は最高潮に達したが、興奮のさめぬまま8時に幕を閉じた。

 14日、「外国人のみた日本」というテーマのもとで、昨年に続き第2回目のシンポジウムが開かれた。宋文恭(中華民国)、フランソワーズ佐々木(フランス)、シャリディス佐々木(ブラジル)の各留学生が招待された。
 宋氏から<日本人は自分の物差しで物を見ようとする>という日本人の国際感覚に欠ける指摘があり、フさんは日本の社会構造からくる狭量さ、またシさんは本国共通語のポルトガル語、そして日本語の言語問題、また何故日本人はあくせくするのかなど鋭い感想が述べられ、考えさせられた。
 この種の行事は、島国的思考からの脱皮、国際的視野の拡大を図る絶好の機会であった。

 展示会場は美術、書道、生物、遊びの部屋など25室にも及び、それぞれ苦労の結晶あるいは研究の成果を問うものが多かったが、新しい傾向として遊びをテーマとする会場が多くなってきたことだ。ユネスコ同好会による各国の豊富な資料の紹介があり目を引いた。

 一方ステージでは、演劇部による「墓掘りと蒼ざめた羊たち」と題する本格的なものから、クラス発表による「改良版愛と誠」「刑事コロンダ」「悪漢桃太郎」など、現代社会を諷刺、あるいは爆笑をさそうものが多かった。

 15日、北陵祭の最後を飾る合唱コンクールが行われた。これは全クラスが出場し競い合うもので、どのクラスも真剣に取り組んでおり、見ごたえのあるものであった。結局、審査の結果1年1組が優勝しトロフィを獲得した。

 今年も公開日公開で議論をしたところだが、仮校舎の現状では?という良識が働き非公開に決まった。しかし、生徒の成果を世間に問いという意味において、また校舎施設の問題が解決することであるから、来年度には公開は実現しそうだ。
 次に、展示などが特にそうであったが、遊びの傾向が強くなってきていること、部活における普段の研究活動が不十分であるところから、充実した展示発表が少ないのは残念なところである。


生徒会役員改選行われる
 第2期生徒会役員の任期満了に伴い、11月9日第3期の本部役員の改選が行われた。
 当初予定していた10月19日の改選日は、2年生の見学旅行を控えていたこともあってか、立候補者が少なく、残念ながら延期せざるを得なくなった。2年生の見学旅行帰校後、選挙管理委員会、推薦委員会が活発なPR活動につとめた結果、第2次受付締切日の12月8日には、会長2名、副会長4名、庶務部長2名、経理部長1名の立候補者が出るという激戦になり、心配された選挙も最終的には盛り上げ、選出された第3期役員の活動が大いに期待される。

3学期の主な行事
 1月16日 始業式、実力テスト
 1月18日 地区別PTA研修会(本校会場)
 2月2日 旺文社1・2テスト
 2月4日〜6日 繰り上げ試験(3年)
 2月12日〜14日 定期考査(3年)
 2月15日 予餞会
 2月17日 3年家庭学習開始
 3月3日〜5日 期末考査(1・2年)
 3月6日・7日 入学選抜学力検査
 3月8日 卒業式予行
 3月10日 卒業式
 3月24日 終業式

演劇部初出演
 10月11日〜13日、北大クラーク会館において高文連石狩支部演劇発表大会は、26校が参加して行われました。ポー原作、高橋能子翻案・脚色による「メェゾン・ド・サンテ」を初日の2番目に上演、初出場ながら元気いっぱいにがんばって、観客から好評をえました。
 最終日、道新会議室で行われた合評会では、努力賞でしたが、きびしい指摘もうけ、来年をめざすはげみになりました。

編集後記
▼本号が発行される頃は、きっと新校舎移転準備で、先生方も生徒達もさぞあわただしいことでしょう。雪と寒さの中での引越し、無事にと願っています。生徒の中には「僻地行きだ」なんてボヤク声もあるでしょうが、新校舎は「素晴らしい」の一言です。
▼そのようなわけで、本号は校舎移転関係を重点的に取扱いました。
▼この度、ポートランド市のリンカーン高と北陵高との姉妹提携が、11月仮調印されました。お喜び申し上げます。
▼あわただしい年の暮れの校舎移転、是非スムーズにと思います。学年仕上げの大切な時期、新しい環境で充実したものになればと念じます。
▼小生、この春転勤して参りましたが、この種の会報を父母も編集委員として参加し、発行しているのを初めて経験しました。紙数の制約はありますが、会員相互の交流の場として実のあるものにしたいと思います。